はい、今日の明け渡し断行の執行事件は、昨日までに債務者が退去し、無事終わりました。ほっとしています。
それにしても、退去後の部屋はむちゃくちゃ。 まさにゴミ屋敷でした。 しきっぱなしの布団も放置し、何考えているのでしょうね。 ふーーーーう。 えらい時代になりましたね。
まあ、とにかく無事に終わりましたのでご安心を。
で、午前9時30分から執行の予定だったのですが、やはり朝の散歩に行きました。 ただし、午前5時50分をまわったので、日の出はだめでしたが。
今日から五月ですが、五月って春なのですよね。 まるで初夏のような陽気で、僕にぴったりですw
はーい、「サークル村の地場」ですが、三人の重要人物が描かれています。そのうち谷川雁と森崎和江については知っていたのですが、上野英信については知りませんでした。 上野は、満州の建国大学に進学して、五族協和などの美名に踊らされて中国侵略の片棒を担いだことを生涯に渡って恥じ、やがて軍隊にとられ、広島で原爆に被爆し、あまりの惨状にアメリカ人を一人残らず殺したいと想ったことのある挫折と屈折を経験した後、筑豊の炭鉱労働者となって地底をはいずり回り、谷川雁らと共に筑豊の炭坑労働者の自立共同体として「サークル村」を立ち上げた人です。
その後は、地道に自宅を「筑豊文庫」となづけ、多くの労働者や学生、文学者やジャーナリストらの思想と心の拠点として亡くなるまで提供した偉大な漢(おとこ)ですね。 そう言えば、今は死語となった九州男児そのもののような人で、亡くなるまで記録文学者として揺るぎなき業績を築き、松下竜一氏らの才能の発火点となった人です。 知らなかった。 そして、その奥さんの献身ぶりと夫に対する揺るぎな公正な評価と確信には、ただただ脱帽あるのみです。
うん、この本は凄いわw
これを読まなくては、戦後日本の最良の思想的営為の一つを知らないことになるし、知らないまま死んでゆくのはあまりにも残念ですよね。 是非是非お手にとられてください。海鳥社です。
それにしても、谷川雁は知っていて、上野英信を知らないのは何故か。 その意味では、谷川の「工作者宣言」の一面のただしさはあるのですね。 大衆に対しては知識人として、知識人には大衆として、工作者谷川が毎月のごとく福岡ー東京間を往来し、自己の足跡を印したことが、結局時空を超えて僕らを上野まで導いたのですから。ねw
はーい、昨日かなあ、ご紹介した「日本断層論」におけるインタビュアーとしての中島岳志がすごいわ。 彼は1975年生まれですから、僕が大学生の時に生を受けてのですね。 うん、子供世代か。 よく勉強をし、森崎和江とそれを取り巻く人間、民族、性差などの情念部分まで良くつかんでいます。 だから、森崎もほんとに話しやすそうに答えていますね。
これは、僕が最近読んだインタビュー文学の中で最高峯を行くんじゃないかなあ。 同じ学者でも、小熊英二(民主と愛国、1968などの著者)とはえらく違います。 小熊は、博物学者のように歴史的事実と言説を今風に理解して並べ立てるだけで、ある思想や文学などがもつ「悪魔性」「人の魂をつかんで死に至らしめる力」については感受性が無く、それ故、谷川雁や、吉本隆明のすごさは分かりませんね。 中島はそれを知っているからね、分かっているからね。 そうでなければ、谷川がやがて東京でテックという企業の重役をし、労組を徹底的に弾圧したこと、その労組の委員長が平岡正明であったこと、またその労組の一員に、東アジア反日武装戦線のメンバーで、逮捕直前に青酸カリを飲んで自決した斉藤和がいたことを注として書き込んだりできません。 えらい学者が育ってきたものですね。 NHK出版新書です。 これも必読ですね。
はい、この本は後2日もあれば読み終わります。
で、工作者な深く静かに潜航しますw
と言うよりも、正直に言うと、ぽん太の伊藤くんが教えてくれた、そうです、マイクル・コナリーの最新ボッシュ刑事の本を読まなくちゃw
ではでは、そう言うことで。 みなさん、またまたねw